どうも。夏本番、体がようやく暑さに馴染んできた伊丹谷です。週一回の公園ランは膝にきますね。
さてさて、最近仕事柄、外出することが多い。正直マスクをして歩いているだけで体調が悪くなりそうだ。周囲に人がいないときはマスクを外して、打ち合わせ先や店舗の建物に入る際にマスクをつけるようにしている。
水分も取る気なくなるしね。熱中症。気をつけましょう。
主にミナミ、アメリカ村エリアにいくことが多いが、目に見えて閉鎖している店舗が増えてきた。これに関しては、全てが全てコロナが問題とも言えない。そもそもインバウンドに頼りすぎていたり、流行を過度に追いすぎてたりで店舗過多であった印象は拭えない。
店舗運営はとにかくお金がかかる。今までの店舗は、ほとんどが商品を販売し、その利益でもって店舗を運営している。
家賃、光熱費、人件費、仕入れ、店舗内のメンテナンス。全てがお金がかかる。ちなみに、店舗は多くが3ヶ月〜半年前解約なので、「閉めよう」と思って来月から家賃を払わなくていいということもない。
私が関わる、FACTOという店舗も、大阪の日本橋、いわゆるポンバシエリアで運営していたが、コロナの影響もあり、インバウンドのお客さんが激減。それだけが原因ではないが、新しいフェーズに移行するためにも、店舗を運営会社である会社のショールームスペースに移転、営業している。
さてさて本気で考えないといけない商品販売というあり方
商品が売れるか売れないかでいうと、売れる。売れるものは売れるのだ。コロナ云々で下がった売り上げは、環境に左右される売れ方だっただけで、商品の良し悪しとは関係なく環境が変わったのだから売り方なのか、商品なのか、環境なのか、変えるというか、変わっていかないといけない。
例として適切かどうかわからないが、タピオカ屋さんをやっていて、コロナ禍で店が閉店の憂き目に遭っている時、どういう手を打つべきなのだろう。この場合、タピオカを因数分解していかないといけない。
Uber Eatsももちろん有効だと思うが、これほど安易に手を出すと逆効果なことはない。考えないといけないのは、なぜそのタピオカが売れていたのか。
立地?知名度?味?行列とか含めた雰囲気?
客層は?売りはなんだったのか?接客は?
結論から言うと、この場合、なくなった売り上げを別の手段で補うことは、環境が戻らない限りほぼ不可能に近いと思う。世の中の状況的にも環境が以前に戻ることはないと思う。おそらくインバウンドが戻ってもそれは全く違う世界になっていると思う。そう言う意味で、短絡的なUber Eats化は一時のうらげにはなるだろうが、それはUberが流行っただけであって、問題の解決にはならない。
コロナ禍で自分自身が気付かされたのは、マーケティングって出口のことしか考えてなかった。ってこと。いや、考えていたつもりではあったのだけど、環境がここまで変わることで、入り口がここまで奥深いものであると言うことを思い知らされることになったってことだ。
ここではファンアイテム・ブランドアイテムに絞って考えてみる
生活必需品や食料、そういった商品のことは置いておいて、自分の担当する領域で「サービス・エンタメ」を軸とした商品販売に関して考えてみる。
わかりやすく音楽を例に考えてみよう。CDが100万枚と売れる時代が終わり、配信での販売、サブスクリプションでの購入に移行した。もちろん、握手券や特典をつけてのCDもそれなりに売れている(売れていた)。が、それは売り方が音楽そのものではなく、付加価値(それ自体がメインと言ってもいいが)をつけて販売していたわけで、握手券などに至っては、ほぼ実施不可なのでこの手の販売方法も無くなっていくであろう。
同じく、貴重な収入源であったライブでのチケット収入、グッズの販売での収入も今はほとんどが期待できない状態だ。
そこで、皆さんもご存知、配信ライブの台頭が目立つ。
しかしながら、タピオカでいうところのUber Eats、音楽ライブで言うところの配信ライブ、非常に短絡的なものが多い。そこで一番影響が出るのはグッズの販売であると思う。
そもそもグッズが売れていた理由は、会場に行った記念であり、アーティストに対する貢献であり、その商品自体の価値と、物質としてのモノの価値はそもそもイコールではなかったわけだ。
Tシャツを配信用チケットにつけて販売するって手法もいいとは思うが、言葉は悪いがご祝儀的な購入で初めはいいとしても徐々に限界が出てくるだろう。
ということは、活動そのものから変えていかないといけない。
配信ライブは、観ている限りユーザーの観る環境が様々なので、例えば画質や音質など、一方的に手を入れられることに関しては限界がある。クオリティが高いに越したことはないが、そのコストに見合うクオリティを提供してかつ収益を上げられるアーティストは日本でも数えられるくらいだろう。
もちろん、ガイドラインの範囲で工夫して、リアルイベントを実施する方法も捨てなくていいと思う。が、あまりに今はガイドラインが厳しすぎて、ゼロリスクベース(それでもゼロではないが)でないと実施は難しいし、それもコストに直結する。
いっそ、ムーンショットというか、できるかできないかは置いておいて、ホログラムで出現する!VR空間で体感!みたいなことも視野に入れて、人の行動を考えた上で、逆算的にコンテンツを作り、結果商品が売れる。ファンが増える。課金をするということに結びつけていかなくてはならない。
じゃあどうするえばいいのだろうか
ここまで、このブログだけではなく、様々なところで語り尽くされている一般論を書いてきたが、具体的にどうすればいいのか。
冒頭にあったように、「商品を売る」ということに着地できるようなことに限定して考えていきたい。
オンラインショップを開設し、商品を写真、文章、SNS、それぞれに適したメディアを使用して訴求していく。大枠でスタンダードな考え方だとそんな感じ。
Googleを攻略するとか、YouTuberになるとか、それ自体が手段となり、時間はかかるが多くの人をオンラインショップに寄せてくるという考え方はアリだと思う。
でも、その前にやるべきことがあるのでは?と思う。
先ほどのアーティストのグッズであったような、「貢献」というキーワード。これはどうやって生まれるのであろうか。またそれは、今の状況下でも実現が可能なものなのであろうか。
「貢献」というと、これまた抽象的なので、これを因数分解していくと、「承認欲求を満たす」「応援する」「帰属意識」「信頼関係」など、いろんなものに分解できる。
じゃあ、それらをマイルストーンにおいて、ファンを作るってことは、もちろん並大抵のことではないが、変わっていくことで挑戦は避けて通れないものであろうと考える。
「人は自分が何者であるのか、自身で決めるのではなく、環境によって座標を特定したい」という生き物だと常々考えてきた。高尚な考えで行けば「我思うゆえに我あり」なのだが、それはちょっと今回は置いておく。
17などにみられる投げ銭の仕組み。大いに結構だと思う。全体的にみたら、こういう稼ぎ方は日本人的には歓迎されにくい風潮にあるが、やる人はさっきの「貢献」に対しての構成要素をしっかりと満たしているパターンが多い。
信頼っつったって、別にその人のために命を投げる!みたいなほどの信頼でなくていいのだが、信頼は一方通行では生まれにくい。ファンタジーとはいえ、スマホやディスプレイを通して双方向でコミュニケーションを取れること。それ自体が信頼につながることは当然中の当然。
若干ピボットして考える
話が変わって、マクドナルドが4-6月の売り上げが、客単価、販売数ともにアップだったという。ドライブスルーで行列を見ることも多くなった。
確かに、これは4月以降の状況を考えて、事前に売っていた策とは考えにくい。
多くの人の認知がある中で、「ちょうどいい」選択肢としてハマった例だと思う。家族も行けるし、個人でも買い易い。しかもマクドナルドは不動産業かと思うくらい郊外に的確に配置されている。
オペレーションはシンプルだし、サービスの質も非常に教育されている。
かと言って、みんなが憧れるレストランでもなければ、インスタにアップしたい写真でもない。
消去法的な選択肢に生まれた、抜群のポジショニングである。
これも非常に参考になる事例なのではないだろうか。
ファン=どういった存在であるか自認すること
ファンと一口に言っても、ファンクラブですら、そのファンの中に様々な人がいて、貢献の度合いが卓越している人や、なんとなく入っている人、入っていることすら忘れている人がいる。
サービス、コンテンツにおいて、ファンをどのように作って、絶妙のポジショニングでキャッチするのか。入り口と出口のマーケティングを本気で考え、達成できる人に生き残る道があるのだと思う。
もちろん、コンテンツは今以上に磨かないといけないし、今までの価値観で通用すると思っている方々が多いのも事実。特に、ゲーム産業などはそもそもリモートだし、ネット販売も、プラットフォームとしてのインフラもどんどん進化している。そういう業界には、また違うチャンスもピンチもあるだろう。
コンテンツを提供する側は、アーティストであれ運営であれ、高尚な信者(あえてこの言い方をする)しかみていないパターンが多い。大阪城ホールでライブをするビッグアーティストですら、前から十数列程度の方々である。もちろん大切な大切なファンであることは間違いない。
でも、ファンクラブには入らないけど好きである。そういった人たちが何に満足して何に不満なのか、またそういった人たちの目に触れ、双方向でのコミュニケーションを取れる方法はなんなんだろうか。達成すべきは先ほども書いたように、「信頼関係」がキーワードであることは間違いない。
まとめ
寝ても覚めてもそんなことを考えつつ、まだまだ自分の知らないコンテンツ業界(飲食、自治体、オンラインサロンなど)も多いので、今は様々な環境で吸収していっている段階ではあるが、見れば見るほど、これは長い戦いになりそうだと吐きそうになってくる。笑
日本というマイノリティ国家(言語的、文化習慣的)において、しかも大阪にいてできることは何か。
これからもここで書いていてきたいと思います。
長文読んでいただきありがとうございました。