行動経済学というのが、最近本屋でもマーケティングコーナーに山積みされています。

そもそも行動経済学とは

行動経済学(こうどうけいざいがく、英: behavioral economics)とは、経済学の数学モデルに心理学的に観察された事実を取り入れていく研究手法である

Wikipediaより

数字をもとに心理学的に人の行動を科学しようと。

今日は、その中でも皆さんが経験したことであろう、「極端回避性」をご紹介。

3つの選択肢があった場合、ついつい真ん中を選んでしまう

例えば、人気の定食屋さんで、こんなメニューがあったとしよう。

Aランチ

¥800

エビフライとライスのセットです。食後にコーヒー紅茶がセットになります

Bランチ

¥1,000

エビフライにハンバーグのセットです。食後にコーヒー紅茶がつきます。

あくまで統計学的な話だが、学生やコスパに厳しい主婦たちは、難なく Aランチを頼んでしまう

お店側も利益をあげたい。なんとか知恵を絞ってCランチを追加することに!

Aランチ

¥800

エビフライとライスのセットです。食後にコーヒー紅茶がセットになります

Bランチ

¥1,000

エビフライにハンバーグのセットです。食後にコーヒー紅茶がつきます。

Cランチ

¥1,500スープ

エビフライ、ハンバーグはもちろん、前菜とスープ、食後にはコーヒーコーヒーがつきます。

すると、比較対象が変わり、今までのAランチが急に一番の下のランクとなる。
そしてハンバーグがついている分、急にBランチが魅力的に見えてくる。Cランチは余裕があれば食べたいが、ランチに¥1,500はちょっと。。。。

ということで、この場合、多くの人がBランチを選ぶ。

人間は3段階で選択肢を提示された場合、無意識に真ん中選んでしまう。店としても、Cランチの注文が入る分は困らない。ただ、目的は客単価を上げることだ。

選択肢が変わることで、評価が大きく変わってしまう例である。

クリエイティブな分野において

昔、デザインプロダクションに入っていたときは、よく3つの選択肢を提示するように教えられた。内容もさることながら、見積もりもだ。

先方の要望に応じて提案するのはもちろん、松竹梅、加飾の良し悪し、素材の原価などを加味し、選択肢としては、真ん中のプランに力を入れる。

提案時、まずは一番高い案から、それはそれは素晴らしい特化性とオリジナリティ、他社との差別化、ここでしかできない技術をふんだんに提案。

ついで真ん中のプラン、先ほど述べた優位点はもちろん説明するが、きちんと優先順位をつける。

今回のプロジェクトの目的、ゴール、仮説を立てて世の中の状況にマッチしている点を提案。

一番安いのは、まぁ見せるだけに近い。

これは、真ん中のアイデアを取ってもらいたいのではなく、真ん中の案を取りがちなので、どこに重点を置いて見てもらうかをコントロールすることが非常に大切だという例。

全くの余談

余談ですが、ローソンのPBパッケージで色々問題になってますが、デザインには意思があり、提案者にも哲学がある。完璧は求められないし、必ずどこかで破綻する。個人的には、アリなデザインだと思います。結果が出るのは、店に並んですぐじゃない。生活に直接根差すものは神道までも時間がかかる。今回はデザインの刷新を検討とのことだが、Twitterの方々の意見を見ていると、木を見て森を見ず。ローソン側としては、無料で宣伝してくれたくらいに感じてるんじゃないだろうか。

せっかく刷新されるのであれば動向を見守りたい。