──ノってきましたね

ですね。この形式だと非常に文章もまとまりがいい。長いけど。

──さて、今回は「45歳定年制」についてです。サントリーの代表の新波社長の発言が話題を呼びました。

すごく方針としてはいいですよね。世の中の反応として気になるのは、本質的に何が言いたいかの考察を無視して感情的に反応してしまってる点。そら今の給料後払い制のサラリーマンだと都合のいい企業の首切りシステムに見える。でも人口ピラミッドの変動は避けられない。

──そうですね。ちなみにサラリーマンはやっていたんですか?

サラリーマンってなんなんだろうね。笑 よく分かんないけど、自動で給料をもらえるシステムと仮定するなら、その意識で働いたことはない。

──いきなり面倒な回答ですね。

年功序列の給料後払いで転職がしずらい日本のシステムで、手に職も無い人が急に45歳で放り出されることに懸念するのは理解できるし、そもそも定年って概念ってのがよく分からない。なんで逆に60歳で辞めなきゃいかんのか。もちろん、いつまでも第1線ってことでは徐々に難しくなるかもだろうけど、役割には他にもあるし、経験とか時間ってそうじゃないと得られない要素はたくさんあるのでやれることはたくさんあると思う。

今回の問題は、企業のあり方というか、そういうのはよく分かんないし、自分がその環境でも無いので深く分かってないかもなんだけど、単に少子化とか、これから日本の人口が減ってくるってことに避けられない問題があるわけで、それを解決する手段として端的に言い表したもので、システムに乗っかる前提の人は、システムは人が作った不完全なもので、実際は誰も責任もとってくれなければ守ってすらくれないものだと強く認識した方がいい気がする。。。偉そうだけど。

──確かに。人口の減少は今に始まった事ではないですもんね。

今、俺は花の40代なんだけど、20代に比べて1.5倍から2倍近く人口がいるはずなんだよね。

この20代は、物心ついた時から、無責任な大人に、やれ年金がもらえないだの、1人で何人もの老人を支えないといけないとか、結構負のイメージを植え付けられてきたはず。

そういう数字のトピックに囚われることで、出鼻を挫かれて、はいここには夢がないですよー!って言われても結局それって、支えてもらうべき老人たちが自分の首を絞めてきていることに他ならない。

単純計算で、1.5倍から2倍近く人間がいるんだったら、自分の近くのせめて2人に対して、夢も希望も経験も必要なことを伝えてサポートしてあげられる体制を作ったら、40代だけで、20代の意識は変えられるチャンスはあると思うんだよね。実際はつきっきりじゃなくてもいいんだから、4人ぐらい真剣に面倒見てやって、トータルで2~30代のサポートしてあげるってことでかなり良くなるんじゃ無いかなと思うんだけど、ちがうのかな?

──数字的にはそうですよね。実感としては、そういう考えの人がどれくらいいるかですよね。

確かにそうなんだけど、「45歳定年制」みたいなこというのと、「40代は人生の先輩として2~30代の若者を少なくとも4人は責任持ってサポートしなさい!なんなら子どもにも夢を与え、環境をサポートしてあげなさい!」というのと、本質的に何が違うんだろう。

それは単純に雇うということではなく、同じ国の仲間としてちゃんと関わってあげるってことだと思うんだよね。夢の大小や職業に貴賎はなくって、45歳のおじさんが学校とか行って授業してあげるとかでもいいと思うんだよ。そこで、30人の子供を前に、大人は大変です。責任ばっかりで住宅ローンも払わなきゃいけないし、家に居場所もないし、友達も減っていく。税金は給料からさっ引かれて、国に対してなんの関わりもないように錯覚し、政治家にいいようにされます。っていう人いるかな。。。

実際そういう人がいるか分からんけど、言えないよね。多分、ポジティブなこと言おうとすると思うのよ。

──確かに。こういう大人になりたいんだ!っていうことを若い子たちに示してこなかったツケが回ってきた感じですかね。

安定とか安心って、実に不安定な土台の上に成り立っているもので、それを植え付けることの功罪で言えば、罪深いなぁと。安定とか安心があるって教えるのもいいと思うんだ。でも選択として安定や安心を追い求めるかは本人の問題で、それ以外の可能性もちゃんとフラットに伝えてほしい。知らないんだから学べる環境を作るのは大事だと思う。世代間の分断をなんとかしないと、短期的な問題は絶対クリアできない。

──Z世代の若者の思考でも、随分と他の世代との乖離が目立つように感じますね。

乖離は仕方ないよ。生きてる時代が違うもの。でも、分断は放置することで起こることで、繋ぎ止めることは個人の努力でしょ。分からない人と分かり合おうとすることは人として最重要項目なことなんじゃないかな。いつも感じるんだけど、安心や安定って努力の延長にはなくって、あるのは信頼とか尊敬とかで不確実なものなんだけど、それを信じられる環境に自分の身を置くことが大事なわけで。結構世界的先進国と言われる国には声高く言われていることだと思うけどね。既成概念が邪魔するのかね。

──逆に、上の世代にはどう感じるんですか?

上は知らん。笑

でも向き合ってくれることに悪い気はしない。協力できるならしたいし、まだまだ学びたい。

できれば、さっき言った若手のサポートも一緒にできた方がいいよね?

──できればということは、期待してないってことですか?

うーん。期待はできないなぁ。もちろん人によるけど。

あと、シンプルに俺以上だと世代的に親のとかの世代になってしまうでしょ。親の言うこと、聞く???笑

──聞かないですね。

違う形でサポートしてもらいたいかな。笑

大人の言うことは聞くもんだ!ってバイアスがかかって、若手は表面的には聞いたつもりでも、多分実のところは聞き流してそう。笑 俺も聞き流されてんのかもしれないけど。

少なくとも、俺は上の世代の諸先輩の言葉はそんな感じだった。笑

でも、語ったりその世代で明るい未来は作っていけると思うんだよ。いつまでも健康でいてくれたり、自分のことは自分で始末してくれたらいいなと思います。

──始末!!!

他人が安定や安心を保障することって言葉では言えたとしても、絶対期待しちゃダメなことだと思うんだよね。サポートって言葉を使うのも、やっぱり決めるのはその人自身だから、そこには絶対入っちゃいけない領域があると思う。決定にまで関与しちゃうとろくなことにならん。

でも数の原理はあるので、絶対数が多い分、総量で責任は感じてもらって、是非とも選挙の際は自分たちのことではなく、国全体、将来負担をかけるであろう若い世代のためを思って投票していただきたい。これは本当に期待します。

──話を45歳定年説に戻しますが、では若者はどう言う生き方をすべきだと思いますか?

空気は読まなくていい!!!

肌で感じた通りでいいと思います。なので、特に意識しなくていいし、そんな先のことなんか考えたって仕方ない。でも今やりたいことをずっと続けていくためにも、どんなことでもまずは3年スパンで考えて欲しい。

──3年ですか?

うん。3年本気になって見えてくるものはたくさんある。全てではないけど、自分の限界も知れるし、できることできないことの棚卸しもしっかりできると思うし、意識を持って取り組んで結果が出るのはそれくらい後じゃないかな?

これは自分の経験に基づくことでもあるけれど。

結果、45歳で使い物にならなかったなら、それは他でもない、あなたの責任ですよ。

仮に20歳として、45歳までワンターン3年で約8回結果が出る。それは同じことなら8回チャレンジできるし全く別のことでもいい。経験も知識もついて、より結果が分かりやすくなる。覚悟の種類も質も変わってくる。

ずっと続けられる職業の方がこれから少なくなってくるし、まずは失敗しよう。でも数字なんて本当に目安だからね。

──分かりやすいですね。

なんでもはっきりしたがる俺の性格的に悪い癖もあるかもだけど、責任の所在が曖昧なのは本当に良くないと思う。

人が決めた45歳ってラインにしたがって、どんな人生が送れるのだろうか。それは自分の人生んんだろうか。数字は目安にさえしておけばいい。どう生きるのかなんか人の自由だし、そもそもルールさえ守ればなんでもできる国に生まれたんだからそのアドバンテージを活かさない手はない。人それぞれ環境はあるのだろうけれど、社会全体でサポートしていくというのは、先の人口減少を考えた時に重要な課題かと思います。俺も偉そうなこと言うけど、自戒を込めて言ってます。笑

──説得力を感じますね!

言うだけ番長だから。でも、これからは本気で取り組もうと思います。もうすぐ定年だし。笑

ただ、いつも思うんだけど、内容に関わらず才能って、本当に周囲の環境に依るところが大きいからどんな人と出会えるかは大事だと思うな。その点で俺は非常に恵まれていた。

──どういうところでしょうか?

とにかく失敗を許された。そして放っておいてくれた。でもチャンスはもらったし、いまだに多くのチャンスをいただきます。さっきから言う若手へのサポートというのは、完全に自分がやってもらったことの恩返しです。でもここまで言って思ったけど、そういう体験ができてない人は、確かに若手のサポートに価値を見出すことは難しいかもね。

──経験があるとないとでは大違いでしょうね。

まず打算や見返りを求める行動は消耗するだけだと思う。正しい報酬が欲しければ、与えること。ギブアンドギブ。Give it awayの精神だと思う。相手に渡して手元から無くなるようなもんはそれだけのものだったんだと。

サポートという観点では、上の世代からきちんといただくものはいただけたので、ここからは同世代の出番なんじゃないかなと思う。そういう意味では、この「45歳定年制」ってことの本意としては、企業になんか頼るんじゃねぇぜ!そういう働き方だとこれから一緒に死ぬだけだからな!ということなんだと思います。言葉のインパクトと言い方は極端だけど、避けようのない現実はほっとっても来るからね。そしてそれが何も不幸なことばっかりとは限らないと思う。いや思いたい。笑

企業が40代からの自立を促進して、かつサポートしていける体制を築けたら、環境的に良くなるところもたくさんあると思う。他の領域でも使えるノウハウがある人材を内部だけに留めておくというのは社会的な伸び代としてももったいない気もするし。

既存のビジネスモデルの寿命がどんどん短命になっていくので、同じようにスピード感をもって順応していく能力は求められていくと思う。

──逆に同世代に求めることってなんでしょうか?

健康。もうホンマそれ。

肉体的な健康ももちろんだけど、思考も健康じゃないと。早寝早起き、酒の飲み過ぎと生活の乱れの改善はめっちゃ大事じゃないかな。

それもおぼつかないと若手のスピードについていけないからね。

──思考の健康というのは大事ですね。

とにかくモノを知りすぎるといろんなことに予測がついちゃって、始める前から諦めたりということが増えた。そういうこともあって思考の俊敏性は確実に衰えてきてる。

SNSでのエコーチェンバー効果もあって、本当に人は賢くなったのか阿呆になったのか分からないくらい情報過多なので、健康的思考のためにも常にこうやってアウトプットすることインプットすることも大事だと思います。

──その他健康で気をつけていることは?

ランニングをするんだけど、早く走りすぎないこと。これが難しい。同じペースで長く走ることに今は挑戦中です。

──めっちゃ健康ですね。

定年間近だから頑張らないと。住宅ローンも車のローンもあるし。笑