昔、10円を磨いて10円で売って、またその10円を磨いて売っているおっさんがいた。靴も片方だけ売ってたり、物を売る、買うってなんなんでしょうね。

仮想通貨も、巷を賑わすまでなかなか行かず。そのもの自体のイメージもなんとなくで理解されて、俗物的な側面がフィーチャーされて、あぁビットコインね。で終わってる感が半端ないですね。

俺も所持するビットコイン(BTC)が増えたり減ったりでヤキモキします。昔は「億り人」なんかいって、瞬時に莫大な利益を出している人がいましたね。その時は、BTCがーとか騒いでも、周りは無反応でした。その時、俺も他のことで忙しくなり、スルーしてましたが、世の中は大きな変革期を迎えています。

世の中のFintechと呼ばれる、FinancialとTechnology の世界は、新しい世の中を作ろうとしています。キャッシュレス化による物理的な貨幣の存在はなくなり始めています。

さてさて、そこでタイトルにもある、NFT(Non Fungible Token)ですが、聞いたことがある人もまだ少ないのではないでしょうか。最近ひょんなことからここに行きつき、複数の方(しかも全く知り合いじゃない人たち)から、NFTってアート世界を変える!的な文脈で色んな話を聞きます。

今は、本屋にも数冊置いているくらいで、半年後には平置きで「NFT」の文字が躍りまくっていることでしょう。

で、結局 NFTってなんなん?

お金は汚かろうが綺麗だろうが、1万円の価値は同じ。ってよく言いますよね。汗水垂らして働いたお金も拾ったお金も同じ価値。

ただ、それはあくまでも「通貨」としての価値であり、言わずもがな、大切な人から預かったお金とパチンコで勝ったお金の価値は自分の中で違います。それは貨幣価値ではなく、付随した価値。

その付随した価値というものが、NFTです。

はい。何言ってるか分からん。

俺もここスタートでした。

もっと分かりやすくいうと、明治時代や大正時代のコレクター貨幣というのは、千円札が数万円の価値を持っていたりします。コインでもそうですね。昭和〇〇年と刻印されたピカピカの未使用貨幣は、その貨幣価値が持つ以上の価格で取引されます。ただ、これはNon-Fungibleではない。希少性の高いFungible Tokenです。

Fungible = 代替可能 という意味

はい。ナニイッテルカワカラナイヨ。

俺もここにつまづきました。

お金の話から入ってなんですが、一旦お金と切り離して考えましょう。お金はお金以上のことを教えてくれる尊い存在ですが、NFTを理解する上で、若干邪魔になります。

では、あなたが今このブログを見ているスマホやPCは、他の人が持つ同じ機種のスマホやPCと同じ価値でしょうか。あなただけの写真やデータが入っている時点で、コピーやバックアップで復元こそできるけど、基本的に同じ価値ではないはずです。

つまり他のものに替えられない価値がある。=代替不可能 ってことですよね。

逆に、100本限定のワインがあるとします。すごい値が上がりそう!でも、このワインは厳密なことはおいておいてNFTではありません。なぜなら、100本中のワインは交換しても同じ価値だからです。厳密なことは置いておいてと書きましたが、ナンバリングで特定される場合はNFT化可能です。要は100本限定だけど、1/100のワイン(100本限定の1本目のワイン)は、67/100(67番目のワイン)のワインと交換したくないでしょ?

身近なもので言えば、ライブのチケットなんかは、NFT化が可能です。日付、座席が特定されています。逆にブロック内の自由席はチケット同士入れ替えても何の差もありません。なのでこちらはFTです。

NFT化が可能 とは?

NFTのTは、トークン(Token)のTです。言葉だけはよく効くかもしれませんが、明確な定義は難しい言葉です。あえて訳すなら、証拠、記念品、代用貨幣、引換券、商品券など。難しい言葉で言えば、「価値を取り替える権利」ですね。

なぜ複数の言葉の意味があるのかと言えば、それをどう使うか設計するかで、トークンが指す言葉の意味は変わってきます。

NFTも、どう設計するかで、NFTにできるかどうかが決まります。逆に言えば、FTは、技術やどう使うか、情報を制限することで代替不可能にする。そこでNFT化できるかどうかが決まります。

先ほどのワインの話と一緒で、ナンバリングすることで、100本同じものがあっても、1本1本は別の個体として認識できる。これがNFT化が可能ということです。

では価値のあるもので、代替可能なもの(FT)とは?通常の1万円札や楽天ポイント。会員権などがこれに当たります。

でも、1万円札もゾロ目のものは価値があったりします。それは、価値を制限する仕組みが働くので、NFT化が可能です。もちろん、ゾロ目の紙幣は存在しないという仕組みも必ずセットに設計する必要があります。悪意があればいくらでも捏造可能です。それを捏造させない技術が、ブロックチェーンです。

出た出た。ブロックチェーン

はい。ここではブロックチェーンの詳しい仕組みの説明は省きますが、要はマスターデータを同時に複数分散させることで、同時に複数の証明を書き換えることを不可能にする技術がブロックチェーン です。

雑な説明ですが、先ほどの捏造できない技術だと思っていただければだいたいオッケー。「これ」というものが証明されます。その証明がトークンです。

じゃあ、お金ってなんだろう。って話になりますが、上記の文脈で言えば、人が価値をやりとるするためのトークンで、その信頼性は、そのトークンを使っている人たちがどういう仕組みで使用しているかで決まります。日本円がどこに行っても換金可能なのは、偽造がものすごく少ないから。使用する我々日本人の集団としての信頼性ということも言えるかと思います。

信用が物の価値を担保し、バランスを保っている良い例ですね。

日本は、政治や市場の制限でその信用を担保していますが、完璧ではありません。何より貨幣は刷り続けられるので、今の1万円と100年前の1万円では価値が違います。それは物価として現れます。さらにそこに世界経済という要素などが入り、非常に複雑な構造を持ったトークンと言えます。

ブロックチェーンはその設計時に、構造が複雑にならないように設計されています。

ビットコイン(BTC)をはじめとする、仮想通貨は、このブロックチェーンで信用担保された新しいお金です。黙っていてもそのうち一般的になります。

まとめ

冒頭で言われたら分からないであろうことをあえて記すと、あるトークンをFT(代替可能な価値)として設計・発行することは可能だが、それが代替可能とみなされるかどうかは、その時代時代のユーザーの使用方法・制限方法に依存して決まる。

逆にNFTとして設計されたものが、FTとして使用されることはない。

じゃあすべてのものをNFT化すればいいじゃんって話なんですが、導入にはコストがかかるため、使用する範囲、制限方法によって、効率的か非効率的かが決まります。多くが使わないと意味がないし、価値があるものでない限りトランザクションが行われないので、市場はできにくいのが実情です。

それ以上に、自分の言葉でいうと、世の中のNFTが世界に与える影響で言えば、人間が使用する以上「愛着」的なものが存在価値を決定するような気がします。

結局は貨幣同様、担保されるのは「信用」である以上、「誰」が「何」をしたのか、それがポピュラーな存在意義があるかが鍵な気がします。

今日はNFT導入部分だけでしたが、具体的なストーリーを考えていこうと思います。