最近のデザイントレンドに全くもってついていけてない。

や、早すぎる。時流が読めないわけではない。これが老いというやつか。笑

最近、AdobeがCreative Cloudの大規模アップデートを施した。それに伴って、アイコンもリニューアル。四角だったりワクがついてたり、色味がもうすでに限界だったり(笑・後付けが多かった)で、グルーピング含め刷新された。

そもそもデザインのリニューアルというのは、非常に厄介な問題である。

デザインというのは、情報の集合体の整理であり、視覚伝達コミュニケーションなので、かっこいいとか、好きとか嫌いだけでは片付けられない。

形状の変更ではなく、アプリの系統で色味の統一が図られた

もちろん、飽きたから変えるなんて、この規模の会社にとってはありえないし、かといってアイコンが気に入らないから使わない種類のものでもない。もはや、クリエーターにとっては手足のようなものである。

印象だけど、SNSでは、概ね角丸の方が評価が悪い気がする。もちろん、ほぼ好き嫌いで言っていると推察される。

そもそも、CCになるまでは、イラレのアイコンなんてボッティチェリのヴィーナスだったのだよ。

ボッティチェリのヴィーナス

個人的には、アイコンの好き嫌いでアプリを選ぶ人がいるということを忘れがちだ。確かにスマホアプリなんかではそれは如実に出る。自分も例外ではない。

デザインのトレンド

アイコンに限らず、今まで角張っていたものが徐々に丸みを帯びて、今は角丸がトレンドだ。

CSSの自由度が増した頃、こぞっていろんなものが角丸になった。そもそもキャンバス・書類は四角なのだ。それをプログラムで丸くできるようになったので、コロコロしたデザインがあふれた。

私としては、デザインのトレンドはなんでも受け入れる派なので、それこそこういう流れを目の当たりにすると自分の過去のデザインしたロゴもリニューアルしたくなる(そういう意図でのリニューアル例も多いが効果的ではない)

四角のデザインが与える印象

安全、信頼、規律など、安心感などを感じることが多い
本でも、四角いのが基本だが、丸い絵本などは印象が大きく変わる。

三角のデザインが与える印象

個人的には一番好きな形だが、こちらは、変化、危険、興奮、安定、など印象にもブレが生じやすい。色や他とのモチーフの組み合わせで、印象が変わる形状。

丸いデザインが与える印象

柔軟さ、女性的、宇宙、連続性など、変化しやすいものの印象だ。
AdobeのCC群も登場から10年が経って、次の変化へ進みだしたのだろうと推察する。

ブランドアイデンティティとは

Adobeが2020年5月29日に出したリリースによると

今回のブランドアイデンティティの進化は、私たちの多様性に富んだ製品ポートフォリオを、今後もお客様にとってわかりやすく、ナビゲートしやすく表現することとあわせ、ブランドとしての印象の刷新を目的としています。

Adobeニュースから引用

ブランドアイデンティティ(BI)とは、そのブランドの個性・キャラクターや哲学、対外的にどういう印象を与えられるかなどを図案化する大切なことだ。

日本では、家紋や旗印などにあたる。非常になじみ深いものである。

当然、アプリになると、視覚的なアクセシビリティなどにも影響する。一方的な意思表示だけではダメなので、当然ユーザーの反応というのは無視できない。それが好き嫌いであったとしても。

だけれども、企業というのは、常にチャレンジしていかないといけない。企業の存在価値は社会貢献であり、人を創っていくことにある。こういった大きな企業が業界内で、会社内でリーダーシップを発揮し、失敗することを恐れず変化しようとしていくことは、見ていて非常に勉強になる。

現在で言えば、トヨタがトヨタイズムとかいってやってます。トヨタは車の会社辞めるとすら宣言している。

変化には痛みが伴う。その痛みに耐えられる体力と地力と財力を蓄えて、自分の事業もアップデートしていきたいと思う。

個人的には、今回のAdobeのデザイン変更に関して、概ね高評価だ。企業の姿勢も読み取れるし、ここからどうなっていくのかが非常に楽しみである。ハードからソフトの時代になったと言われだしてしばらく経つが、ここ数年でもっと想像できない何かが進化していくであろう。

とにかく早いのだ。ついていかねば。